イラストメイキング

はじめに

この記事はサークル「CCS」のアドベントカレンダー初日です。

CCS Advent Calendar 2021 - Adventar

今回も去年に引き続き、僕が初回担当になります。

みんな初回を避けたがるんですよね〜、なんでだろ🤔(ヒント:締め切り)

 

 

 

 

 

みなさんこんにちは。

神絵師のやまむーです(天上天下唯我独尊)。

今回は、僕が絵を描く時の作業工程を大公開しちゃおうと思います。

去年までは、その年に描いた絵を振り返っていたのですが、今年は作品数が少ないのでつまんないな〜と思って。

 

 

 

 

 

使用ツール

ハード:iPad Pro(11インチ)、Apple Pencil

ソフト:アイビスペイント(無料版)

 

前まではclip studio、通称クリスタを使っていたんですが、iPadには買い切り版がなく、僕はケチなので、無料のアイビスにしました。

 

 

 

 

 

今回の絵

最初に絵の完成形を見せちゃいます、こちら👇

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かわいいね☺️

 

描いている様子のタイムラプスをツイッターで公開しています。

これを見てから本記事を読むと、より分かりやすくなるかもしれません。

やまむー@創作 on Twitter: "https://t.co/E5B4H6l7Cq" / Twitter

 

 

 

 

 

テーマを決めよう

今回のテーマはこちら。

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今僕がどハマりしているゲーム、ポケモンユナイトの、プクリンのホロウェア(着せ替え)です。

ポケモンユナイト | 『Pokémon UNITE』公式サイト

ツイッターのアイコンからも分かると思うんですが、ニット帽と丸メガネをつけた女の子が好きなんですよね。

そんな中ハマっているゲームにこんなキャラが来たら、もう描くしかないじゃないですか。

というわけで、このプクリンを元に、カフェで待ち合わせている感じの絵を描くことにしました。

 

 

 

 

 

資料を集めよう

さて、早速描き始め…と思ったそこのあなた、ちょっと待った!(成歩堂龍一)

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実際に筆を取る前に、まあ描いている最中でも良いんですが、大事な工程があります。

それは資料集めです。

絵を描く際に参考にする、写真、絵、図録なんかを集めます。

何も見ないで絵を描かないといけない、なんて縛りはありませんからね、どんどんカンニングしていきましょう。

 

 

僕の場合資料は大きく分けて3つ、1つ目は服の資料です。

今回の場合はカーディガンやニット帽、メガネの写真を参考にします。

この時僕が活用しているのが、Pinterestというアプリです。

Pinterest - ピンタレスト

このアプリでは、検索した画像を直接保存することなく、ブックマークすることができます。

なので資料の整理がやりやすいんですよね。

 

2つ目が、ポーズの資料です。

これはですねぇ、

 

 

 

 

 

自撮りをします。

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描くつもりのポーズと同じポーズをして写真を撮り、参考にします。

これは絵全体だけでなく、手などの局所的な部分でも有効です。

一時期は人型モデルのアプリを使ってたんですが、これが1番手っ取り早いです。

ただ、やってはいけないのが、この写真の体型をそっくりそのまま写すことです。

男性と女性では骨格が違いますし、特に二次元キャラは誇張された体型をしているので、実在の人物写真を写すことは、たとえ被写体が女性であってもやめましょう。

あくまで参考程度に。

ただし、服のシワはそのままパクっちゃってOKです。

頭だけで服のシワを考えるのは、並の人間には無理ですからね。

正直この資料は、服のシワ用と言っても差し支えないです。

 

3つ目は神絵師の絵です。

自分が描きたい、参考にしたいと思う絵を、pixivかなんかから持ってきましょう。

上手い絵を横に置いて、参考にしながら描くと、その絵に引っ張られて自分の絵の出来も良くなります。

もちろんこれも丸パクリはダメですけど。

絵を描く時は、絶対に神絵師の絵を見ながら描きましょう

 

 

 

 

 

ラフを描こう

ラフとは下書きです。

下書きだからといって侮るなかれ、工程が進めば進むほど修正が大変になっていくので、ラフの出来栄えはかなり重要です。

僕はラフを3回行います。

 

 

 

大ラフ

大ラフでは、作品の大まかな構図、シルエットを描きます。

実際の大ラフはこんな感じ。

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顔のパーツや服などの細かい部分は描かず、太いペンでザクザク描いていきます。

描く順番としては、顔→手→胴体→腕の順番。

ポイントとなる部分(顔、手)の位置を決めてから、それらを繋げる(胴体、腕)という意識でやってます。

この時自撮りはバチバチに参考にしますよ〜。

 

 

 

ラフ

続いて、大ラフに細かい部品を載せていきます。

顔→髪の毛→服の順番です。

それぞれが重なっても大丈夫なように、レイヤを分けてます。

デジタルの強みですね。

 

まず顔。

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目、鼻、口、眉毛、そして耳ですね。

顔のパーツに合わせて輪郭も修正します。

カメラ目線の方が目を引く絵になりやすいので、僕の絵は大体こっちを向いてます。

 

続いて髪の毛。

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分かりやすいように色を変えます。

髪の毛を描くコツとしては、前髪、横髪(耳にかかる部分)、後ろ髪(それ以外)を区別し、重力に逆らわないよう髪の流れを意識することです。

また、生え際が下になりすぎたり、後頭部が平べったくならないよう注意しましょう。

今回の髪型はボブにしました(僕が好きなので)。

やっぱショートでしょ。

 

最後に服。

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ここはもう、集めた資料をガン見しましょう。

手も見ながら、服のシワも見ながら、です。

 

 

 

仕上げラフ

ラフの最後として、バラバラに描いたラフを一つにまとめながら、形を調整していきます。

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もちろんただラフを重ねただけではなく、今までより細いペンで1から描き直しています。

これをすることで、線画がやりやすくなります。

線画はラフよりさらに細いペンで描くので、ラフが荒いままだとどの線を参考にすればいいか分かりにくいんです。

 

また、先ほどより女の子を大きく配置しています。

画面に対して大きく描かれている方が注目されやすいですからね。

それと、右目の位置を、紙を縦横3分の1に分割した時の頂点の位置にしています。

こうすると配置的に良いらしいです、知らんけど。

 

 

更に、ここから仮で色を置いていきます。

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こうすることで、色の配置を考えられるのと同時に、形がおかしいところに気づきやすくなります。

今まで線で捉えていたものが、色を置くことによって色面で捉えられるようになるからです。

ここまでやったら、いよいよ清書です。

 

 

 

 

 

線画を描こう

ここからはラフに沿って線を清書していきます。

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この工程は、あんまり何も考えずただ線をなぞるだけなので、1番つまんないです。

ですが、一応意識していることはあって、僕の場合、

①画面を拡大しすぎない

②何度もやり直す

③最後に線の強弱をつける

この3つを意識しています。

 

まず①ですが、画面を拡大しすぎると、1ストロークで描ける線が短くなり、線と線の繋ぎ目が多くなります。

そうすると、線がガタガタになってしまうんですね。

基本的に線は滑らかである方が好ましいので、画面をある程度引いて、シュシュっと描いていきましょう。

角度的に難しいときは、画面を傾けたり、反転したらすると良いですよ。

 

続いて②です。

いくら①で1本の線が上手く引けたとしても、それぞれの線がくっついていないと、これまたガタガタになってしまいます。

そこでデジタルの強み、undoです。

描いては消し、描いては消しを繰り返し、納得のいく線が描けるまで何度もやり直しましょう。

 

最後に③。

全体の線画が描けたら、最後に線の強弱をつけていきます。

最初から強弱のある線を描くのは難しいので、僕はまずペンの太さを一定にして全体を描き、最後に太さを変えたいところを修正します。

具体的には、1番外側の輪郭線や、影になるところを太く、髪の毛や服のシワなどの細かな線を細くすると、良い感じになります。

 

 

 

 

 

色を塗ろう

線画が描けたら、いよいよ着色です。

絵が完成形に近づいていくので、この工程が1番面白く、また1番難しくもあります。

横に置いた神絵師の絵を参考にしながら、完成度を上げていきましょう。

 

 

 

下色

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まずは色の土台となる下色を置きます。

バケツツールで単色を塗るだけなので簡単です。

僕はパーツごとにレイヤを分けています。

今回だと、目、肌、髪の毛、服、小物、背景の6レイヤです。

机の木の模様は、アイビスのテクスチャを変形しています。

 

 

 

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二次元絵にとって、目は最重要パーツです。

とにかく時間と手間をかけ、描き込んでいきます。

情報量を増やして、絵を見た人の視線が目に誘導されるようにしましょう。

方法はいろいろありますが、簡単なのは色の対比を使うことです。

今回の絵では、明暗の対比(黒目とハイライト、まつ毛の白い部分)と、補色対比(髪の毛や服の赤と緑の目)を取り入れています。

 

 

 

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ここからは基本的に、各パーツに影をつけていきます。

肌の影は色をピンクっぽくすると良い感じになるらしいです。

鼻や口などの顔周りは、本来陰影がかなりつく部分ですが、二次元絵では目を引き立たせるために書き込みを最小限にすることが多いです。

鼻なんて点に丸いハイライトだけですからね。

 

また、最近の僕の絵の特徴として、目の周りを赤っぽくします。

目の周りを赤くするのは現実でもやってる人がいますが、ちょっと地雷系っぽくなりますよね(好き)。

 

 

 

髪の毛、服

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ここも影とハイライトです。

髪の毛は顔に近いのである程度細かく、服は顔から遠いので大雑把にしています。

胴体部分なんて影一色ですからね、雑すぎる。

 

影との境目に、少し彩度が高い線を入れていますが、これは稜線と言います。

これを描くとお手軽に情報量を増やせます。

 

僕は髪の毛や服といった、大きい部分の影を描くのが苦手です。

なので今回は、最初に全部を影で塗ってから消しゴムで削る手法を使ってみました。

タイムラプスを見ると分かりやすいかも。

タイムラプスだと、何回も色塗りをやり直しているのもバレますね…。

 

 

 

背景

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背景は…ムズイです。

大体いつも単色の背景に図形をつけたりしています。

が、今回はちゃんとした背景を描きたいと思ったので、以下の動画を丸パクリしました(クズ)。

神絵師のアイデアや手法はどんどん参考にしちゃいましょうね〜。

さいとうなおき先生は神。

- YouTube

 

 

 

色トレス

仕上げとして、線画の色を周りに合わせる、通称色トレスを行います。

肌や髪の毛周りはピンクに、服周りは赤にします。

やりすぎると絵がボンヤリしてしまうので、ほどほどにしましょう(今回はやりすぎたかも…)。

最後にカップから出る湯気と眼鏡を描いたら…完成です!!!

今回の絵は全体で6時間ちょっとかかりました

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おわりに

はい、というわけで絵が完成するまでを追ってみました。

この記事を書いてて分かりましたが、言語化がかなり難しいですね。

講座動画を上げてる方々には頭が上がらんです。

この記事でどんなふうに絵が出来上がっていくのかを楽しんでいただけたら幸いです。

さらに、絵に少しでも興味を持ってくれたり、絵を描くときの参考になってくれたら願ったり叶ったりですね。

では、この辺で✋